研究室配属

27/06/2012

Author: 関口宏司

さてJAISTでの活動ですが、先日自然言語処理の研究室に配属されることが決定しました。授業の方もちょうど「自然言語処理論」が始まり、コーパスをNaive Bayesや決定木やサポートベクターマシンや隠れマルコフモデルなどさまざまな機械学習のアルゴリズムで学習して、分類問題における曖昧性解消を行う方法を学んでいます。

ところで自然言語処理を学んだ学生が卒業後どんなところに就職しているのか気になった私は、研究室のS先生に聞いてみました。すると、「大手電機メーカーのSEとして就職している」ことが多いとのことです。そして、自然言語処理を業務としてしていることはないということでした。もう少し突っ込んで聞いてみると、博士後期課程の学生は卒業後自然言語処理研究を主テーマとする企業の研究所に就職することもあるとのことですが、博士前期課程(修士)卒の学生レベルだと「フツーのSE」をしている、ということでした。どうやらS先生自身も自然言語処理や機械学習という自身の研究室で使われているテクニックが、一部のIT産業界で今ホットであることを全く知らないようでした。

おそらく先生自身のテーマが高難度であり、自然言語を高精度で処理できるのがまだまだ先の話なので、自然言語処理というテーマは研究所の外で活用できるという発想がそもそもないのかもしれません。先生がそういう意識だと、これから社会に出て行こうという学生が自身のテーマ(の基礎知識)が会社で役立つという意識がないままに就職活動をするので、「大手電機メーカーのSEとして就職している」状態になるようです。ここでの先生の表現「大手電機メーカーのSEとして就職している」は、学生からもよく聞かれる質問への定型の回答であり、うちのような研究をしていても卒業後ちゃんとした会社に就職できます、という意味を含んでいます。

もちろん、大手電機メーカーに就職し、フツーのSEをすることが不幸であるといっているわけではありません。しかし、就職後の業務が基幹系システムの開発などだと、周りの環境にも慣らされてしまう中で、研究してきたテーマの基礎知識が自分の開発しているシステム(たとえ基幹系のシステムであっても、テクニックを応用できる部分はゼロではないと思っています!)をより便利にできるという発想自体が生まれにくくなってしまうとするならば、これはアカデミアと産業界双方にとって非常にもったいないことだなあと思った次第です。

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